Kobo gloレビューとカスタムまとめ

Kobo gloを使い始めて約1週間。良い所、悪い所が見えてきました。
購入を検討している人は参考にしていただけると幸いです。
色々書いてたら長くなってしまいました。必要な部分のみ見ていてだけると
良いかと思います。

本体について


片手で持てるサイズ感が良いです。また縁が少し大きめなので、
片手で縁を持って操作出来ます。重量も200g以下と軽量なので
縁を持っても安定して操作が可能です。
価格も1万円以下と安価なため、雑な使い方をしても気にならない
のも実用性としては重要なポイント。iPad等は落下するとほぼ即死
なのでカバーを付ける人が多いですが、元々重い端末にカバーを
付けると1kgを超える事もあり、どこでも気軽に使うことは出来ません。
筐体はラバー塗装で滑りにくくなっていますが、手の脂がつきやすく
なっています。デザイン面ではマイナスですが実用面では良いです。
本体左下にはmicroSDカードスロットを搭載。大量の本を持ち歩けます。
(ちょっと出っ張るのが難点か)

表示について

6インチ、1024x758の最新型E-inkディスプレイを搭載。
E-inkのディスプレイは表示ににじみ感があり、実際の印刷物に近い
表示が出来るのがポイントです。800x600の時は、コミックのルビ等で
解像感が足りないと思うことが多々有りましたが、縦1024の解像度では
気にならないレベルまで解像感が上がっています。
以前のディスプレイに比べると、同じ明るさの環境でも若干明るく表示されて
いる感じですが、驚くほどの改善ではありません。しかし、今回フロント
ライトが搭載されることで明るい所でも更に見やすくなっています。
従来のE-inkの弱点だった暗所での表示も改善されます。

↑の写真は夜7時に外で撮影したKobo Gloの画面。左から

ライト無し>ライト最低輝度>ライト中間輝度>ライト最大

になっています。
iPhoneで撮影したためシャッタースピードが自動になっていて明るさの比較
というには微妙な写真ですが参考資料ということで。
輝度を中間以上にすると黒の表示(画面下部)が青っぽく見えます。

ソフトウェアについて(読書以外の面)

昔のKindleに比べると動きはかなりマシになっていますが、やはりCPUの
性能を考えても、最新のスマホに比べるとモッサリ感は否めません。
(CPUは海外レビューではFreescaleのMX6 Solo 1GHzと言われていましたが、
日本版はMX507 1GHzの様です。SoloはCortex-A9のコアですが、MX507は
Cortex-A8コアなので、実質1ランクダウンといった感じです。KindlePWが
MX507の800MHzのCPUらしいので、スペックだけならKindle以上ですね。)
本を読む以外の機能としては

・チェス
・スケッチブック
ナンプレ
・ウェブブラウザ

がありますが、動作が遅く実用性は殆どありません。
(ウェブブラウザは起動に5秒以上かかる代物です。)

Koboストア(楽天Kobo)について

一言で言うと「酷い出来」です。よくこんなレベルで商売してるなぁと
驚くレベルです。
気になる所を箇条書きにしてみると、

・本が探しにくい。例えば、「宇宙」と入れると検索予測に「宇宙兄弟」が
 出てくるが、そこをタップしても「検索結果は0件です」と表示されたりする。
・巻数がでないものがある。
 
 ↑何巻だよ、と言いたくなる。
・「ダウンロード」を押してもダウンロードされない、いつダウンロードが終わるか
 分からない、など。

今後の改善に期待…したいけど、今までの対応の酷さから考えると
改善は難しいかもです。

読書について

※私は自炊データの表示をメインにしているので、自炊データ利用前提での説明です。
不満点はありますが、今まで試した電子書籍ビューアの中では一番良いバイスです。
公式な対応フォーマットはEPUB、PDFとなっていますが、実際はEPUB、PDF、MOBI、
JPEG、GIF、PNGBMPTIFF、TXT、HTML、RTF、CBZ、CBRに対応しています。
CBZ、CBRというのはZIP、RARの名前を変えただけの拡張子なので、実質的には
ZIP、RARに対応しています。

microSDにデータを入れ、本体を起動させると、「コンテンツを処理しています」
 と出て自動的にライブラリに追加される仕組みです。(どうやらデータベースを作成
 しているみたいです)。データ追加時に時間がかかるのが弱点ですが、一度追加すると
 快適に動くのであまり気になりません。
・追加した本はライブラリから選択して表示出来ます。読書設定としてはページ送りの
 方法や画面のリフレッシュ間隔(白黒反転の頻度調整)が設定可能。画面のリフレッシュ
 は標準で6ページ毎になっています。リフレッシュが少ないほど快適にページ送りが
 出来ますが、前の表示のゴミが残るので、気になる方はリフレッシュ間隔を小さくすると
 良いかも。
・表示した画面は、本体設定から拡大/縮小表示、横に合わせる、縦に合わせる、画面回転
 等を設定可能。最低限の機能は付いています。
・ページ移動についてはシークバーを操作することで可能。画面の表示は遅いですが
 シーク自体は高速なので、ページの移動はそれほど苦にはなりません。
・自炊データの場合、しおり機能はありませんが、読書中にHome画面に戻る事で
 最後に読んだページが記憶されるので、続きから読むことが可能です。
・本体をスリープにすると、直前まで読んでいた本の表紙が表示されますが、嫌な人は
 スクリーンの設定でOFFに出来ます。

カスタムファームウェアについて

Kobo gloは有志の人が様々な追加機能を追加・検討しており、それらを適用することで、
更に使い勝手が良くなります。カスタムファームウェアというよりも、追加パッチみたいな感じで、
iPhoneの「脱獄」みたいな大掛かりな作業をするのではなく、本体の.koboのフォルダの中に、
KoboRoot.tgzというファイルを入れるだけ。後は電源を入れると勝手にインストールしてくれます。

microSDに日本語名のファイルを入れると???で表示される。
 
 →有志の人が作っているカスタムファームウェアで改善出来ます。
・コンテンツの追加が遅い。
 →カスタムファームウェアで一部改善されるみたいです。
・自炊データの表示が遅い。
 →JPG高速化ライブラリで高速化出来ます。
・大量のデータを入れようとするとフリーズする
 →カスタムファームウェアmicroSD領域にSWAPファイルを作成出来ます。

など。みんな素晴らしい機能です。作者様方に感謝。特にJPG高速化ライブラリは
素晴らしい出来。高速化の前後でどれ位差があるのか、200枚のJPGの表示にかかる時間を
計ってみました。単に200枚のJPGが入ったcbzファイルを用意し、ページを最後までめくる
までの時間を測定したものです。3回平均。

高速化無し→53秒
高速化有り→35秒

体感でも分かるレベルで高速化されます。これは是非試してみて下さい。
なお、各ファームウェア等は2chのhackingスレにあります。
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/ebooks/1352778895/
専用wikiもありますが、更新はhackingスレのほうが速いです。
http://www49.atwiki.jp/kobotouch/

追記

id:goriponsoftさんが内部ストレージのダメ文字("ソ"や"ポ"等の文字。コレがあると
データベースが壊れたりする)対策のパッチを公開されています。microSD内の名前の
文字化けも改善されます。
http://d.hatena.ne.jp/goriponsoft/20121124/1353729235
感謝!

便利ソフトについて

Kobo gloはE-inkディスプレイで、更に画像の縮小表示処理が微妙な事もあり、カラー
ディスプレイ用に作成した自炊データでは表示が薄く表示されることがあります。
容量を削減するためにも、専用のデータを作るのが好ましいです。
しかし、それぞれのページを縮小したり、コントラスト比やガンマ補正を行うのは
大変です。
そこで紹介するのがChainLPというソフト。
http://no722.cocolog-nifty.com/blog/
電子書籍のための機能がてんこもりの素晴らしいソフトです。これで何が出来るのかと
言えば…

・設定した解像度に一気にリサイズ可能
・各ページの余白を自動で削除
・縦横比をチェックしページ分割
・文字のボールド化/ガンマ補正/シャープネス補正
・cbzによる出力可能

などなど。他にも様々な機能が有ります。私は

・zipやrarのファイルをそのまま取り込み、出力できるように、unrar32.dll/unzip32.dll/
 zip32j.dll等のプラグインを導入
・出力解像度を758x1024に設定
・縦横比チェック
・ページ補正(単純余白除去)
・ガンマ補正(1.6、自動レベルON)
・シャープネス(3)

で出力しています。実行前に比べると、全体的に色が濃くなり、細かな文字が見やすくなります。

Kindle PaperWhiteと比較してみた

先日秋葉原ソフマップKindle PaperWhiteを見つけたので、Kobo glo
比較して触ってみました。

・本体を持った感じとしては、Kindleの方が若干高級感があります。厚みも
 Kindleの方が薄いです。しかし重さはKobo gloの方が軽く、長時間持ったら
 差がありそう。
・操作感は予想外にKobo gloの方が良い。KindleはCPUが800MHzと言われているので
 CPUの差が出ているのかも知れません。あとJPG高速化ライブラリでチューニング
 している影響も多大に有ると思います。
・タッチの反応はKindleの方が良いです。Kobo gloは時々タップ抜けする事が
 あり、またタップしても反応せず、次にタップすると2回分動いたりする
 変な挙動が見られます。
Kindleはマルチタッチに対応なので、表示の拡大縮小が便利です。Kobo glo
 タッチパネルは上記の通り微妙なシングルタッチのパネルです。
・見た目は下記画像を参照
 
 ↑ライト無し
 
 ↑ライト有り
 あまり差は見られません(同じディスプレイだし当然か)。しかし、全体的に
 Kobo gloの方が黄色味が強く感じます。Kobo gloのフロントライトは青が強いので
 青を吸収するために反射板に細工がされているのかも知れません。
 ライトありでも黒がしっかり黒いKindleは優秀。Kobo gloは黒が青っぽく
 なりますが、気になるほどではありません。明るさはKobo gloの方が上。
 また、Kindleはライトの設定がタッチパネルからしか設定出来ませんが、
 Kobo gloは専用ボタンが有るのでライトのON/OFFが気軽に出来ます。

世間ではKindleが崇拝されていますが、それはストアを含めての話。
自炊データをメインに考えるなら、Kobo gloの方が良いかも。
Koboオープンソースになったら完璧だろうなぁ。