電子書籍端末が売れない理由。

電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/01/news122.html

この記事を読んで私の考えをまとめてみました。
電子書籍端末が売れない理由として挙げられているのは
・端末が高い
・端末が重い
・コンテンツが少ない
などですが、それでは端末が安く、軽く、多くのコンテンツが有れば
本当に売れるのでしょうか?
私は売れないと思います。
それは紙媒体と比べると、メリットに比べデメリットが大きいからだと
考えます。
紙媒体と比較した電子書籍のメリットは

・どこでも買える
・値段が安い
・大量のデータを持ち歩ける
・拡大縮小が可能

などが挙げられます。それに対しデメリットとしては、上記を除くと

・端末の電池切れで使用不可になる
・故障すると使用不可になる
・紙媒体と比べて見にくい
・即応性が低い(ぱっと出して読む、という事がしにくい

などが考えられます。しかし、日本という国を考えると、電子書籍のメリットは
更に失われると思われます。

・どこでも買える→日本では至る所に本屋があり、有名な本はコンビニや
キオスクなどでも購入出来ます。ネット環境のない情報端末よりは紙媒体の
本を探す方が容易かもしれません。
・値段が安い→同じ本でもデジタルデータの方が安くつきます。…が、それは新書の話。
古本屋に行けばデジタルよりも安価に購入することが可能です。
・大量のデータを持ち歩ける→狭い日本の移動ではそもそも大量のデータを持ち歩く
必要性はありません。好きな本数冊を鞄に入れればそれでOK。足りなくなれば買えば良いので
電子書籍ならではのメリットはありません。
・拡大縮小が可能→これは本には出来ない利点ですが、そもそも表示域が限定されているため
拡大しても一覧できるデータ量は減ることになり、使い勝手は良くないと考えられます。

一番の問題は、やっぱり本は紙でないと、と思う考えではないでしょうか。
(私だけかもしれませんが)
100円で漫画のデータを売ってても買おうとは思いませんが、100円で新刊を古本屋で見つけたら
思わず買ってしまうかもしれません。実際に物として残る分、紙媒体というのは
価値のある商品だと思ってしまい、逆に何も形として残らないデータは軽い物として
考えてしまいます。そして端末を買う必要のない、ケータイやスマートフォンでjpg形式対応の
ビューアが有れば簡単に電子書籍端末になり得るというのも問題だと思います。
私は要らない本はデータ化してから古本屋に売りに行き、読みたくなったらPDA付属のビューアで
読むようにしています。専用端末でなくとも十分見やすいし使いやすいです。
電子書籍電子書籍にしかできない、紙媒体では出来ないような事をしないと
紙媒体のコピー販売だけでは絶対に普及はしないと思います。